50代からの起業、準備はぬかりなく。

思い付きのように気楽に起業する方はいないと思います。

もちろん、それがダメだとは言いません。気楽に起業しても大成功する凄い人は必ずいます。

けれどそんな方は特別です。

大半の方は、しっかりと準備をされていると思います。

時間をかけて情報を集め、調査を行い、かなりの知識を入れて起業する。当面の資金もぬかりなく準備する。一緒に始める仲間との打合せも密に行う。こんな感じではないでしょうか。

50代の起業家は、知識、経験、人脈、資金と起業に必要とされる条件をすでに持っています。

それゆえ、気軽に起業することもできます。

ご存知のとおり、会社設立は事務手続きです。社名を決めて、印鑑を作り、資本金を納め、定款項目を決める。

あとはお近くの司法書士さんにお願いすると10日~15日もすれば、設立登記が行われ会社が誕生します。めでたく社長就任です。

かかる費用もおよそ20万~30万円ほどです。

そこから何を売ろうか、なんて考える方はいないはずです。

 

起業前の準備の差は、後の状況を大きく左右するように思えます。

起業の目的を決める、目標を決める、戦略を決める。それだけでは足りません。

いつまでにやる、どこでやる、誰とやる。いつまでにどの状態にする。かなり細かい所まで計画して、それに必要な知識もつけて準備をぬかりなく行う。

これをきちんとやられた方は、本当に強いと思います。

スタート直後はなかなか思うように行きません。結果の出ない時期があります。それでもぬかりなく準備をしていると、軌道修正も的確に行うことができ計画に近づく策を打つことができます。

この描いた計画と現状の差を埋めて行くことが、楽しいところではないでしょうか。

しかし綿密な計画がなければ、これができません。したがって楽しむこともできません。

何か違う、なぜか思うように行かない。何が間違っているか分からない、では悩むだけになってしまいます。

やりたいことを決めて起業するのですから、苦しさも楽しめることは大切です。

起業前の準備は、限りなく綿密に練り上げておくことが必要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

50代からの起業、怖さを知っているから慎重になる。だから強い。

30年も働いていると衝撃的な出来事に遭遇してしまいます。

友人知人の経営する会社や取引先の突然の倒産という厳しい現実を目の当たりにすることです。

テレビで見る大企業の倒産ニュースは、なんとなく遠くの事のように感じてしまうのですが、それが身近に起きると衝撃も非常に大きいものです。経営者だった方の心中を察すると本当に辛い思いがします。

しかも身近で起きた出来事は、決まってその後の様子を耳にすることになります。

「家も土地もすべて無くしたらしい」「奥さんや子供さんは近くのアパートに移ったらしいが、本人は何処に行ったか分からないらしい」「一時は羽振りが良さそうだったけど、実情は火の車だったらしい」など心無い噂話も含めて、まさに言われ放題です。

経営者だった方は本当に忸怩たる思いだと思います。

問題はこの衝撃的な出来事、特にその後の様子の話を聞いて「倒産は怖い」「すべてを無くしてしまう」と自身の潜在意識の中に刷り込まれてしまうことです。

50代からの起業を考えたとき、躊躇する要因の一つはここにあると思います。

「もしも倒産したらどうする」「家族や周りの方々に多大な迷惑をかけてしまうかもしれない」「もしもの時、もう年齢的にやり直しがきかない」と考えてしまうのではないでしょうか。

けれども、この怖さを知っているから強いと思います。

倒産の怖さを目の当たりにした数だけ、起業準備にも慎重になれるのではないでしょうか。

起業する前も起業した後も多少の無理はしても、リスクを高める無茶はしない。常にリスクを最小限に抑える手法を考える。

倒産の怖さを知っているからできるのではないでしょうか。

必要以上に臆病になる話ではありません。

起業する限り成功を目指して進みます。しかし一時的な成功に興味はないはずです。10年20年と続くことができる土台のしっかりした強い会社を目指していると思います。

理由はさまざまだと思いますが、倒産原因のほぼすべてが資金のショートと言われています。つまり、極論ですがお金さえあれば倒産は回避できるのです。

潤沢な資金があるならば、数か月間売り上げが無くても会社を維持することはできます。もちろんこれでは何時か資金が枯渇してしまいますが。

と、するならば起業の準備段階から初期投資の額や固定費の抑制など可能な限りの策を練り上げることができるのではないでしょうか。

起業すればその日から社長就任です。駅前一等地の綺麗なオフィス、営業部門の社員や総務経理部門の社員、当初は何名体制で、お店の開業ならばこだわり抜いた店舗のオーナー、なんてイメージすると思います。

しかし、資金枯渇のリスクを回避するしっかりとした仕組みを作る。華々しいスタートでは無くても、ガッチリと土台を固めながら一つ一つ積み上げていく仕組みを作ることが大切なのではないでしょうか。

私は今でもこの姿です。

ちょっと泥臭いようですが、奇をてらわず、生き残る会社を作って行くことができるのが、世の中の怖さを知っている50代だと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

50代からの起業、本当のスタートはここから

起業を考え始めるとさまざまな不安が襲ってきます。

「本当に大丈夫なのか」「絶対、大丈夫と言えるだろうか」「もしも倒産したら」「担保に入れた土地や家はどうなるのだろう」「家族を路頭に迷わせることなることになるのではないか」「世間に笑われるのじゃないか」「退職することで今の会社に迷惑をかけないだろうか」実にさまざまな不安が頭をよぎり始めることと思います。

けれど、自身の中では「やれると思う」「自分を信じてやってみたい」「このままで終わりたくない」「必ず成功できる」と言う想いも強くあると思います。

しかし、自分だけの判断で決めて良いのだろうか?家族への説得はどうしたらいいのだろうか?家族の協力は得られるのだろうか?退職に会社は理解を示すだろうか?

いろんな立場で責任ある50代の方が起業に際し悩み、迷うことだと思いますし決して間違っていることだとは思いません。

むしろその悩み迷いは、当たり前のことだと思います。起業後の勝算100%なんて有り得ないのですから。

ここで立ち止まる方が95%、それでも突き進む方が5%と言われています。

つまりここから突き抜けていく方は極めて少ないのでが現実です。

私も永く、迷いの迷宮の中にいました。

そこで友人や知人に相談してみました。

帰ってくる言葉は「今のご時世では厳しいよ」「気持ちは分かるけど無理だよ」「失敗したらどうするの」「定年まであと少しなんだから」「定年まで粘ろうよ」「何が不満なの」など、統計するとほぼ100%「止めた方がいい」と言う結果でした。

もちろん気遣ってくれた意見だと思います。

考えると結局のところ、立ち止まるか、突き進むかは自分次第と言うことになるです。つまり最後は自分の意思と覚悟で決めることだと思います。

そこで突き進むを決めたなら、説明して説得して、理解してもらって納得してもらって、ぜひ応援しますと言ってくれる味方をつけて。

ここからが本当の起業に向けてのスタートだと思います。

起業の準備と言うと、資金や書類や手続きや、計画作成などと言われますが、それは事務的準備の話しです。

本当の起業準備は、自身を取り巻く方々に説明や説得を繰り返して、理解してもらって、納得してもらって、応援します、協力しますと言ってくれる味方作りからだと思っています。

たくさんの味方をつけてのスタートは、きっと心強いものだと思います。